神への挑戦!あなたは右と左を説明できますか。オズマ問題が難問だった訳

「右と左を説明するのなんて簡単じゃないか」って思ったあなた!この問題はかつては地球上の全科学者をもってしても不可能といわしめた難問だったのです。その神髄とは。



解説ロボ
解説ロボ

オズマ問題とは宇宙人に左と右を図を使わずに説明する事は可能なのかという難問です。

既に解決済みなのですが、ここでは何故そんなに難しいのかをSFストーリーで解説します。

未知との遭遇

20XX年、国立天文台は謎の電波信号をキャッチした。

解析してみると明らかに人工的に作り出されたものであり電波源は1光年先にある事が判明した。

国立天文台は事の重大さを考慮し情報を伏せたまま政府に報告した。

政府は地球レベルの危機問題であると認定し直ちにアメリカ合衆国と問題を共有する事にした。

日米は電波を秘密裡に詳細に分析した結果、驚くべき事実が解った。何と電波は30%の正確性を持って英語音声に変換する事が出来たのだ。日米は謎の電波の主が高度な科学文明を持っている事を確信した。そして既に我々の存在は十分に把握されている可能性が高いと判断した。

日米首脳は人類の生存のために、謎の文明と対話することを決めた。

この事実は直ちに世界中に報道された。

かくして人類と謎の文明との交信が始まる事となった。

謎の文明との交信開始

電波源は1光年先だ。ひと交信に2年もかかる。我々の挨拶に返事が来るのは2年後だ。

交信を始めた時、我々の独自の概念や文化を英語だけでなく画像データや図形データを併用して説明しようとした。

しかし謎の文明から送られてくる信号には画像や図形データと思われるものは見つからなかった。

謎の文明からの返事も画像データや図形データを元の画像や図形に変換できていないのか全く理解されていなかった。

どうやら謎の文明と我々は画像や図形を用いて会話する事が不可能であるようだ。理由はわからないがとにかく謎の文明は我々の英語音声だけを理解できるという事が明白になったのだ。

さらに不思議な事に謎の文明は地球の位置についてもまるで特定できていないようだった。

だがこれまでの交信から謎の文明が友好的である事は既に判明していたので、我々はさらに理解を深め合う事に熱中したかった。

ここで人類は、とても重要な概念なのにどうしても表現する事ができない問題に遭遇してしまったのだ。

とても重要な概念なのにどうしても表現する事ができない問題

とても重要な概念なのにどうしても表現する事ができない問題とは何か

それは

右と左、どっちがどっちなのかをどうしても説明できないぞ!

右と左って子供でも分かる事じゃないか。地球上の全科学者を持ってしてもそれが説明ができないなんてそんなバカな!

しかし、それがどうしてもできないのだ。

  • 時計周りが右で反時計周りが左って教えればいいじゃないか→時計回りは人類独自の慣習なだけなので絵をみせなければどっち廻りが時計周りなのかを説明するのは不可能なのです
  • フレミングの法則を使えば→S極とN極の命名は人類独自の慣習なだけなのでS極とN極の物理的な特性の違いを説明できなければならない
  • 東西南北で説明すれば→これ東西については左右の概念を理解してもらえなければ無理
  • 心臓のついてる方が左→謎の文明の心臓は左とは限らないしそもそも心臓が無いかもしれない

という具合に右と左を説明するのは容易ではない事に気が付いた。

この問題はいかに我々独自の慣習や身体的特徴を使わずに説明できるかがカギだった。

つまりこの宇宙の普遍的事象を使って説明する必要があったのだ。

それでも上と下、前と後ろの概念を説明するのは容易だった。

上とは重力の及ぶ場所において自由落下する前の位置だ。下とは自由落下後の位置だ。

前とは移動している方向だ。または移動する時に移動する方向に向く物体や生命体の面だ。時々この逆の方向に移動するがそれは後退という特殊な移動だ。また移動しない物体ではボタンやスイッチや表示装置(ヒューマンインターフェース)がより多く付いてる方が前だ。

それに比べてどうして右と左だけはこんなにも説明が難しいのか。

それは自然界のほとんどのものには左右対称性が存在しているからだ。

左右対称性ってこんな感じ

左右対称性って言われても今一歩ピンときませんね。

では、かざぐるまを用いて左右対称性がいかにイヤらしくネチっこいのかをご説明いたしましょう。

かざぐるまは羽根の向きによって上図の様に反時計廻り型時計廻り型の2種類を作る事ができます。

一見これを使えば宇宙人に右と左を説明できそうな気がします。

右図のような羽根の向きでかざぐるまを作った時、前から風を受けて羽根が周った向きが時計廻りで右巻きですよと。

ところが、羽の向きを右図の向きにするというのを言葉で確定させるのは不可能なのです。それも宇宙人は上と下、前と後ろは理解しているにも関わらずです。

何故不可能なのかを実際に見て行きましょう。

我々は宇宙人にaの羽根を特定する事はできます。「上」の概念を宇宙人は理解しているからです。しかし右と左が解らない宇宙人にこれ以上の説明はできません。

でも今回はかざぐるまなだけに回転してくれます。

aの位置から90度自然に廻って羽根が水平になった地点と説明すればの位置を特定する事ができます。

しかもxの位置では羽根のねじれが左右ではなく説明可能な上下に変化しているではないか。

ところがです。位置での羽根のねじれは両者同じ方向になってしまうのです。どちらも羽根の上側は奥であり羽根の下側が手前になっている事がお分かりいただけますでしょうか。

羽根のねじれに着目した時、我々が宇宙人に説明できない左右の方向を向いているabでは堂々と違いを露わにするクセに説明できる上下を向いているxyでは違いを無くしてしまうのです。

これが左右対称性のいやらしさです。

一見、同じ位相である反時計図のと時計図のの関係で説明できそうに見えますがそれはできないのです。なぜなら回転する方向はどちらもa→x→b→yだから

つまり我々はの位置は特定できたと先ほど言いましたが、上図のどちらのなのかは全く特定できないのです。

そう、これがオズマ問題と言われたヤツだったのです

一時は自然界の左右対称性は絶対に破れない事が証明されるだろうとまでいわれたこのオズマ問題。しかしついに人類は左右対称性の破れを発見します。

この問題は、3人の中国系アメリカ人の物理学者の研究で一応の解決を見た。まず、李政道楊振寧によって、素粒子間に働く弱い相互作用では左右の区別がある可能性が示唆された(2人はこの功績により1957年ノーベル物理学賞を受賞した)。その後1956年呉健雄によってコバルト60放射性崩壊の実験ではS極の方から飛び出す電子の数が多い、すなわちパリティ保存が破れるということが発見された(ウーの実験)。現在は、時間に関してオズマ問題は存在するかどうかが物理学の大きな問題の一つになっている。

wikiより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BA%E3%83%9E%E5%95%8F%E9%A1%8C

つまり本記事の小説部分の答えそれは

右とは「コバルト60の崩壊に伴い発生するβ線が多く飛ぶ方向をS極、逆側をN極と定め、S極を上、N極を下として、これに直交する導線に電流を流す時、電流手前から見て導線に力がかかる向き

QuizKbock 様より引用
https://web.quizknock.com/migiisnani

という訳がわからんほど複雑な事を言う必要があったという訳でした。

どうでしょうか、これを読んでいるあなたが今からでも新たな左右対称性の破れを発見したならそれはビッグニュースとして世界を駆け巡る事請け合いです。

(当記事の小説部分は100%フィクションです)



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