こんにちは、今日は左利きについてお話ししたいと思います。世界には約75億人の人がいますが、そのうち左利きは約10%程度と言われています。では、なぜ左利きはたった10%と少ないのでしょうか?その理由について、科学的な見解をご紹介しつつ独自の考察もしてみたいと思います。
左利きは環境要因で決まりだろ。遺伝とか言ってる人はバカじゃないの
そうなのかい。Googleさんには遺伝説が優勢だって書いてあったけど
待て二人とも。話はそんな単純ではないようだ。利き手問題は科学界の邪馬台国論争と言えるほど奥が深いのだ
1 怪しい言説
まずは定説のごとく語られてるけど掘ると意外に怪しいやつをご紹介しますね
世界の左利きの割合は太古の昔から約10%の謎
世界の左利きの割合は約10%と言われていますが、この10%はいったいどうやって集計したというのでしょうか
実際に「日本の筆記時の左利き率は?」とAIに聞いてみたところ
2020年の調査では6.3%、2018年が8.6%、2016年が9.9%。調査方法や対象者によって異なる。「おそらく5%から10%の間」ということになるでしょう。
という実にファジーな答えしか得られませんでした。現代の日本だけの事でもこんな状態なのです
これで世界をどうやって集計したのか謎ですよね。その上ですよ
「世界の左利きの割合は太古の昔からずっと約10%である」
と大昔の事までまるで定説のごとく言いきる言説が世にまかり通ってるのは謎です
行動遺伝学での推定遺伝率25%の怪しさ
「行動遺伝学では遺伝の影響は25%と出ている」
これもやたらと大手を振って世に出回っています
しかしこれも定説とするにはやや怪しい影がつきまといます
行動遺伝学で遺伝の影響を調べるには一卵性双生児と二卵性双生児の標準偏差の比較を行います。上図の様に遺伝の影響が存在するならば二卵性双生児の方が一卵性双生児よりも標準偏差が大きくならなければなりません。
でもこのイビデンスを示している記事が全然見当たらない。こんな結果がでた研究がふたつあるらしいですが、これを否定する結果になった研究も存在するらしいです。らしいばっかり。
AIに「これデマでは?」とズバリ逆張りで聞いてみました
左利きが遺伝の影響25%と行動遺伝学上推測されたという話は、一部の研究に基づいていますが、確定的なものではありません。一卵性双生児と二卵性双生児の左利きの割合を比較することで、遺伝的要因を見積もることができるという考え方は、双生児研究の一般的な方法ですが、左利きに関しては、そのような研究が十分に行われているとは言えません。また、左利きに影響を与える遺伝子が特定されているわけでもありません。したがって、左利きが遺伝の影響25%という数字は、あくまで仮説の一つであり、デマではないものの、信憑性には疑問が残ります。
AIを妄信するわけではありませんがこの仮説が定説に昇格しすぎた感を感じます。あくまで主観ですが
行動遺伝学とは
2 いざ対決!左利きは遺伝か環境か
遺伝派と環境派の最大の支援材料をそれぞれご紹介します
遺伝派大勝利?親が左利きだと子が左利きの確率が上がる観測結果
両親が左利きである場合、子供が左利きになる確率が上がるという観測結果
これは遺伝説の最も有力な支援材料だとされます。どれほど上がるのかも具体的に示されていて
両親ともに右利き | 片方の親のみ左利き | 両親共に左利き | |
子供が左利きになる | 9.5% | 19.5% | 26.1% |
子供が右利きになる | 90.5% | 80.5% | 73.9% |
しかしこの観測結果は遺伝だと断定されがちですが、実はこの原因を遺伝に完全に特定できるワケではないんですよね。利き手が定まる時期が4才ぐらいだとする説があるため「左利きの親を見て育った影響」が考えられるからです。とはいえどちらかと言えば遺伝の影響だろうと思いたくなるのも確かです。
ちなみにこの確率に基づいてシミュレーションを行ってみました
初代の人類が全て右利きだった場合と初代の人類が全て左利きだった場合で上記の確率に従って100世代先まで計算してみました
結果はどちらの場合でも
左利きの割合は11.82%に収束する
というものでした(上図5世代目ですでに収束している為、表示は20世代でやめています)
この左利き11.82%という収束値は世界の左利き約10%という通説とあまり齟齬がなく、また定数に収束する事から「大昔から変わらない」という俗説をも支持します。怪しい話だらけの左利きの説の中では珍しく筋が通る結果になりました(逆に10%説はここから計算してるのかもしれませんが真偽は不明)
ただし上に書いた様にこれが遺伝要因ではなく環境要因であるかまたはそれらの複合要因である可能性は排除しきれません
環境派の反撃!一卵性双生児で利き手が異なる事例
一卵性双生児の約10%は利き手が異なるという観測事実
これは環境派にとっての最大の支援材料です。遺伝子が100%同じなのに利き手が異なるという事は少なくともこの事例では遺伝子が利き手を決めていないとほぼ断定できます。定義上、行動遺伝学では非共有環境による影響で確定です。
しかしこの現象は胚が二つに分かれた時に左右鏡写しの状態(ミラーリング)という現象になる事に起因するのではないかとする研究もあり胚が分かれる時期によっても発生率が事なるそうです。そうなるとこれが遺伝子要因なのか生体細胞由来なのかどうかも解らなくなってきました。もう利き手問題は深すぎます。
それにしてもここでも10%という数字がでてきましたね。10%には絶対何かあると思いませんか
遺伝学者のジェフリー・クレイグ博士は、双子の研究をもとに、左利きは遺伝ではなく、胎児期の環境によって決まると主張しています。彼は、一卵性双子でも片方が右利きで片方が左利きになることがあることを指摘しています。これは、双子が同じ遺伝子を持っているにもかかわらず、胎内で異なるストレスや栄養状態にさらされることで、脳の発達が変化するためだと説明しています。
中立要因・利き手が定まる時期
利き手がいつ決まるのかも未だ未解明です。最新の研究では妊娠中ではないかとされるそうです
一般的には4才ぐらいまでに決まるというのが通説になっています
妊娠中にしろ生後にしろこのタイミングなら遺伝子は確定しているんだから環境要因で決まりだろうと思いたくなりますが、「遺伝子が発動したのがこのタイミングなだけかもしれない」ためこれで要因を特定する事はできません
いわゆる一般的な遺伝ではない遺伝子起因
環境の影響が大きいことはご存知の通りですが、それだけではなく、エピジェネティクスやモザイク現象という現象も左利きに関係している可能性があります。エピジェネティクスとは、遺伝子そのものではなく、遺伝子の発現を調節するメカニズムのことで、環境やストレスなどによって変化することがあります。モザイク現象とは、同じ個体内で異なる遺伝情報を持つ細胞が混在することで、一卵性双生児でも完全に同じではないことがあることを指します。これらの現象は、左利きに関係する遺伝子の発現や分布に影響を与える可能性があります。
男女での違いまである
また、左利きは男性に多いという統計もあります。これは、男性ホルモンのテストステロンが関係していると考えられています。テストステロンは、脳の右半球を発達させる効果があると言われており、右半球が優位な人は左利きになりやすいという説があります。しかし、これもまだ確かなことはわかっていません。
3 まとめ
正直、まとまりません。完全にギブアップです。原因も不明なのに何故10%か科学的に説明できるはずもなしでした。調べれば調べるほど謎が深まりました。利き手問題は正に科学界の邪馬台国論争だって印象です。これに手を出すべきではなかったトホホ。
左利きが何故10%かではなく何故少数派なのかならいくつか説があります。
最有力だと思うのは
右手は左脳に繋がっている。人間はそもそも言語能力を進化させるために脳を肥大化させてきたという説もある。言語能力は左脳が主に司っている。なので左脳に繋がる右手の方が左手よりも有利性がある。
という論法ですがみなさんはどう思われますか。
読者の皆様、逆にこれはかなり熱い情報だよって言うのがございましたら是非ともコメント欄にお願いします。お待ちしております。
まとめる気ゼロになるほど追い込まれましたか、いやはや
コメント すみませんが海外スパムが大変多い為手動認証してます。基本、日本語のコメントは全て認証します。