H3ロケット1号機の発射はなりませんでしたが一部報道の「失敗」ではないのです。想定されたアクシデントを事前に検知してわざと今回はやめただけなんです
H3ロケット1号機華麗なる初回打ち上げとはいかず
2023年2月17日打ち上げ予定だったH3ロケット1号機はカウントダウン0までいったところで急遽打ち上げ中止となりました
何故失敗ではないのか
H3ロケット1号機の打ち上げはなりませんでしたがこれは断じて失敗ではないのです
何故なら失敗とは基本的に衛星を失う事だから
今回はカウントダウンシーケンスの範囲内ギリギリ(残り0秒)での中止なのです
衛星も失ってなければロケット本体も再投入が可能、これはどうみても中止なのです
起きた事実としても異常を検知して意図的に補助ブースターを点火させなかったんですよ、どうみても中止ですね
共同通信の記者さんはどうしてあんなに失敗にしたがったんでしょうか
補助ブースターSRB-3っていうのは右のH3ロケットのCGの下部に2つ付いてる小さなロケットエンジンです
この補助ブースターは固体燃料なので一度点火してしまったらもうほとんど制御する事はできないんです
なのでカウントダウンがゼロになってこの補助ブースターが点火されてしまったらもう何があっても発射は止められないのです
なので今回はまさにカウントダウンゼロに限りなく近い直前で中止になったのは間違いないのです
ちなみにH3ロケット本体のメインエンジンLE-9は既に5秒前に点火されていましたがこちらは液体燃料なので一度点火してもその後自由に制御が可能なのです
フェールセーフの大成功とは
ところで今回の様な事前に異常を感知した場合に最悪の事態に発展しないようにする仕組みをフェールセーフっていうんです
打ち上げの場合のフェールセーフは正に今回の様に打ち上げを中止させる事こそがその役割なんですね
ですのでフェールセーフの観点からは大成功なのです
ちなみに打ち上げ後もフェールセーフっていくつも仕込むんですが打ち上げ後は考え方としてなにか異常が起きても他の代替え手段でミッションを続行できるようにする方向性で考えてあるんです
無人とはいえ大金のかかったミッションそう簡単には失敗できないのです
有人となるとフェールセーフの基準はさらに厳しくなります
一般に無人は2フェールセーフといって一つが故障しても別の手段がもうひとつあればOKという基準なのですが有人では3フェールセーフが求められます
国際宇宙ステーションに向かう無人宇宙船「こうのとり」は実は無人なのですが有人の宇宙ステーションにドッキングする事から有人基準の3フェールセーフで設計されています
SNSでも失敗断定記者に批判殺到
何で共同通信記者さんはどうしても失敗にしたかったのかはわかりませんがSNSでも記者さんに批判殺到しているようです
WEB記事もでてます
まあまだ一号機、そりゃいろいろなトラブルもありますよ。関係者のみなさん元気だして次に向かって下さい、みんな応援しています。
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