「この音は・・・事故だ!」そう心の中で叫んだ数秒後に目に飛び込んできた光景とは・・・
引き寄せなのか?ふと思った良からぬこと
昨日は今年一番クラスの寒さだった
晴れた昼下がりだというのに風が冷たく空気も芯から冷えていた
「こんな時に事故なんて起こしたらこの寒さの中の現場検証やらなんやらで大変な事になるな・・・」
何故かワタクシはクルマのエンジンをかけた時ふとそんな事を思った
今思えば何故そんな事を思ったのか謎だ。楽しいドライブに出かける時にあまり思うような事ではない
いつもの交差点にて
走り慣れた県道。クルマの量も国道のように多いわけではない
何故かいつも必ず捕まる信号がある
こちらは4車線、交差する道路は2車線なのに不思議な話だ
昨日も毎度のごとくその交差点の信号は赤だった
私の車は追い越し車線側にいた
前にすでに2台ほどクルマが赤信号に捕まっていた
その交差点には右折車線があるので私の右側は対向車線ではなく右折車線だ
右折車線も2台ほどクルマが捕まっている
追い越し車線にいる私のクルマは先頭から3台目であり右折車線にも2台が詰まっている状態だったという事だ
この位置からは交差点内の出来事はちょっと見えない
しかし音は聞こえるのだ
この音は・・・事故だ!
対向車線から異音が飛び込んできた
「ボシュッ!」
擬音で表すのは難しい音だ
ピンときた。事故だ!
でもその時は軽いオカマ堀りかなと思った
私は対向車線側を注視した
体感では音がしてから5秒ぐらいかかったように感じたが今となっては定かではない
目に飛び込んできたのは中央分離帯あたりまで滑ってきたうつ伏せの女性だった
その女性の少し後方に自転車がちらりと見えた
女性は年のころで50~60ぐらいに見えた
オカマ掘りではなく自転車とクルマの人身事故だ!
そう確信した。さっきの音は自転車と歩行者ででる音ではない
しかも私のいる地点は交差点から3台目。少なくとも20~25メートルは横断歩道から離れているはずだ
その私のクルマの少し前まで女性は跳ね飛ばされている。クルマ以外にはありえない
右折なのか左折なのかしてきたクルマと横断歩道上の自転車の事故の可能性が高い
女性は幸い意識はある
滑りが止まっって立ち上がろうとしたのだろう
しかし半身になったまま右腕を抱えてしまって立ち上がれない
「痛い。痛いいいい」女性の悲痛な呻きが聞こえるではないか
凄惨な光景が目の前に広がった
右折車線を挟んだほんの4m程度先の出来事なのだ
私は戦慄していた
それから何秒後なのか定かではない
事故の当事者と思われるクルマがゆっくりと視界に入ってきた
恐らくぶつかった後一度止まったのだろう。その速度はゆっくりだった
破損は見当たらなかったが何かをクルマの下にはさみこんでしまっているようでズルズルと引きずるような異音がした
当事者と思われるクルマはゆっくりと路肩に寄せた。クルマは今どきの都会志向の4駆ワゴンだ。そしてドライバーが降りてきた
ドライバーも女性だった
呆然と倒れている女性のほうを見ている様だった
「こんな時に事故なんて起こしたらこの寒さの中の現場検証やらなんやらで大変な事になるな・・・」とふと出発前に思った事が私ではなく今まさにこの女性に降りかかった・・・・
都会ならではの冷たさ
ここで信号が変わった。事故とは反対車線にいるワタクシにはどうにもできない
こんなところでクルマから降りたら今度は間違いなく自分が撥ねられる
ワタクシは何も見なかったかのように全く普通にアクセルを開けて走り出した
何とも言えない都会ならではの冷たさを自分の中に感じる
考えれば考えるほど轢かれた女性はとても危険な状態だ
だって4車線道路の交差点を超えたところに今動けずに半身で横たわっているのだ。しかも中央分離帯付近という逃げ場の最も無い場所に
そして今、信号は青になってしまったのだ
対抗車線で信号待ちしているクルマ達が一斉に女性に襲い掛かってくるのだ
どうか上手い事クルマを誘導してくれ
そう祈る他なかった
ワタクシが出発前にふと思った「こんな時に事故なんて起こしたらこの寒さの中の現場検証やらなんやらで大変な事になるな・・・」が今まさに起こってしまうなんて
ワタクシは精神的ショックがあまりにも大きく予定を変更して家に帰る事にした
運転する事に恐怖を覚えてしまったのかもしれない
家についてもあの女性の「痛い。痛いいい」と苦しむ姿がどうしても頭から離れない
今日、県警のサイトで昨日の事故日報を確認した
幸いにも昨日の交通事故による死者数はゼロだった
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