【感動必至】映画「アポロ13」レビュー!実話に基づく宇宙飛行士たちの命がけの帰還劇

こんにちは。今回ご紹介する映画「アポロ13」は、1970年に起きた宇宙飛行士たちの命がけの帰還劇を描いた実話に基づくドラマです。映画「アポロ13」は、人間の可能性と団結力を讃える感動作です。実話に基づいていることでより多くの人に訴えかける力があると思います。宇宙に興味がある方はもちろん、そうでない方もぜひ観てみてください。



作品情報・あらすじ・見どころ

作品情報

監督 ロン・ハワード

脚本 ウィリアム・ブロイルズ・jr  アル・ライナート

出演 トム・ハンクス  ケヴィン・ベーコン  ゲイリー・シニーズ  ビル・パクストン

劇場公開日 1995年7月22日

上映時間 140分

配給 ユニバーサル映画

あらすじ

人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号から3度目の月面探査となったアポロ13号。熱狂の11号から人々の関心がやや冷めかけた中でもアポロ13号は月を目指していましたが、往路で酸素タンクが爆発し、船内の酸素や電力が急速に減少します。彼らは月面着陸を断念し、故障した船を使って地球に戻る方法を探さなければなりません。

しかし酸素不足や電力不足の状況が分かってくるほどに事態の深刻さがより鮮明になるばかり。そして今も健在で交信すらも出来ている3名の宇宙飛行士の生還が絶望視される状況である事が判明。かくして思わぬ事態で再び世間の大注目を浴びる事となったアポロ13号。

そんな中NASA地上管制センターでは、エド・ハリス演じる主席管制官ジーン・クランツが指揮を執り、宇宙飛行士たちの救出に向けて総力を挙げたチームを結集させます。かくして決してあきらめない執念と団結が生んだ奇跡の帰還劇の幕が開きます。

見どころ

  • 当然感動のラストシーンは一番の見どころです。ここはネタバレになるのでここまで
  • ドキュメンタリーストーリーならではのご都合主義の無い徹底的にリアルな細部描写。中でもサターンVロケットの打ち上げシーンは圧巻です。また主席管制官ジーンが打ち上げシーケンスで各部門に発射前最終確認するシーンで回収班にすら確認をする所は必見。最新科学の結晶と膨大な予算をつぎ込んだ国家財産と宇宙飛行士の生命というとてつもなく貴重なものを預かり運用する者たちの本当の真摯な姿がここにあります。
  • 宇宙飛行士たちの危機的な状況と、地上の管制センターの緊迫した雰囲気をリアルに再現しています。特に、宇宙船内の狭い空間で起こるさまざまなトラブルや危機に対する宇宙飛行士たちの対処法や心理状態は見どころです。また、映画は当時の実際の音声や映像を多く使用しており、史実に忠実な作品となっています。アイカデミー賞{録音賞」を受賞した音響効果は出色、サラウンドシステムがあるなら必聴。
  • 1970年代のアメリカの世相があちこちに。管制官は普通に管制室でタバコを吸う、管制室に女性職員は一人もいない、飛行士の妻たちは心配だとマスコミに言ってはいけない、医者には時には逆らっても良い等など今とはだいぶ違う様子に時代の変化を感じる事ができます

感想・レビュー

ともの
ともの

とにかく感動しました

主役は地上にいる決して派手ではない人たち!

この映画の感動はSFなどのフィクションストーリーでは決して得られないものだと思います。

フィクションストーリーでは飛行士の機転や抜群の身体能力によって自ら生還するストーリーになりがちです。でも現実ではそんな事はめったに起こるものではありません。現実に起こった奇跡、それは決してあきらめないリーダーのもとチームがひとつになって団結した先にあったのだ。

飛行士たちを無事に生還させた人たち、それは間違いなく地上で飛行士たちをサポートする決して派手ではない人たちなのだ。

主席管制官のふるまいは今の基準で見ればパワハラかもしれない。NASAはブラック組織かもしれない。しかし人の命がかかった場面で真剣にそれに向き合ったなら人はそんなにお上品にしていられるものだろうか。ここにもまた実話ならではの迫力を感じずにはいられない。フィクションストーリーであれば登場人物の善悪がハッキリと描かれるのだろうが実際には人はそんなにハッキリとした善か悪かの存在ではない。

これは男たちだけの物語ではない

このドラマは時代を精一杯に生きた男たちと女たちの物語だと思います。たとえ飛行士が全員男であっても管制室に女性職員が一人もいなくても決して男たちだけのドラマではない。

サターンVロケット打ち上げ、メインエンジンが点火しロケットが爆発してしまったかの様な煙と炎と大轟音に包まれ、内部の液体燃料から来る低温によってできたロケット表面の氷が一斉に剥がれ落ちる。失敗か成功か解らないほど荒々しい挙動の中サターンVロケットはリフトオフして行く。これを発射場でまじかに見ていた飛行士の妻のマリリーンとメアリー。二人は感極まって目には涙を浮かべる。この時の表情はとても印象的だ。

宇宙ロケットの打ち上げとは愛する妻が見ていようが何だろうがお構いなしにどこまでも男性的な荒々しさを見せつけて来るものなのだ。そして決して無視できない失敗率という現実。それら全てを正面から受け止めて見守る妻たち、ここに女たちの闘いを感じずにはいられないのです。

これを知ってから見れば3倍楽しめる

アポロ13の劇場公開日は1995年。まだこの時は熱狂のアポロ11号をリアルタイムで見ていた人も多くアポロについては知っていて当然な時代。そのため映画内でアポロ計画や宇宙船の構造についてあまり詳しく説明するシーンはありません。

ですので、これを知っていればすんなりとストーリーを理解できるポイントとなる事前知識を書きます。

アポロ13号の構成

アポロ13号は3つの船によって構成されています。

  • メインである司令船(オデッセイ)
  • 司令船を補佐する機械船
  • 月面着陸ミッション専用の月面着陸船(アクエリアス)

の三つです

司令船オデッセイと機械船は打ち上げ時からドッキングされていますが月面着陸船アクエリアスは宇宙空間に出てからドッキングします。

司令船には飛行士3人が常に搭乗していますが後ろの機械船に酸素も電力もロケットエンジンも依存しています。ですので司令船が後ろの機械船を切り離すのはミッションの最後の最後で大気圏突入する時です。大気圏突入能力を持っているのは3つの船のうち司令船のみです。

月面着陸船(アクエリアス)は二人の搭乗員を2日間生命維持できる能力があります。月面着陸の際は司令船とは切り離されこの船だけで行きます。司令船には飛行士1名が残ります。このことからも分かる様に月面着陸船は司令船の様に機械船には依存していません。実はこの特性が3人の飛行士を無事に生還させた最大のポイントになるのです。

再突入回廊はこんなに狭い

司令船オデッセイが地球に帰還するには上図の様なきわめて狭い再突入回廊と呼ばれる軌道に入っている必要があります。通常はコンピューターによってロケットエンジンの噴射を制御します。なので手動ロケット噴射で正確に再突入回廊に入るのは至難の業なのです。


とりあえずこれだけ知っていれば事故によって何が問題なのか、どうしてそれが対策になるのかがすんなりと解るのではないかと思います。



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