物理学者ウィリアム・ニューカム提案のこのパラドックスは50年以上たった今でも現代のゲーム理論、確率論、そして哲学の先端学者たちを持ってしても依然として決着しない超ド級の迷宮です。貴方もこの迷宮に挑戦してみませんか!
最初に申し上げますがこのパラドックスは未だ決着がついていない為正解を申し上げる事はできません。ぜひ貴方なりの答えを探してください
それではウィリアム・ニューカムの迷宮へいざ!行ってらっしゃいませ!
出題!ニューカムのパラドックス
- 貴方(行為者)の目の前に箱がふたつあります。箱Aは半透明で中に10万円の札束が入っているのが見えています。一方箱Bは中は見えませんが中身は0円か1億円のどちらかです。
- 貴方は箱Aと箱Bの両方を貰うか、箱Bだけを貰うかを選べます。
- 箱Bの中身は「信頼できる予見者」によって貴方がBだけをもらうと予見されていた場合1億円、貴方が箱Aと箱Bの両方をもらうと予見されていた場合は0円になっています。
さて、貴方は
1⃣ 箱Aと箱Bの両方を貰いますか?
2⃣ それとも箱Bだけを貰いますか?
何これ!!考える余地あるの?簡単すぎでしょ!←ここからなんです迷宮は
多くの読者の方が「何これ!!簡単すぎてどこが迷宮なの?」と思ったのではないでしょうか。
しかし私は皆さんがどっちを選んだのか言い当てる事ができません。何故なら直感的にどちらを選んでも不思議ではないのです。
では直感的に選んだ場合のそれぞれの根拠と反論を考えてみましょう。
1⃣の箱A,箱Bの両方を選ぶ根拠と反論
信頼できる予見者がどちらを予見したにせよ箱の中身はもう決まっているのだから両方貰ったほうが良いに決まってる!
1⃣を選んだ人はこう考えたのではないでしょうか。「信頼できる予見者」の能力を現代科学の範囲内で考えており未来の他人の自由意思を予見できるはずはないと。ならば迷う余地はどこにもないじゃないか。
本当にそれで大丈夫ですか?「信頼できる予見者」は貴方の最終選択を予見しきっていたかもしれませんよ
2⃣の箱Bのみを選ぶ根拠と反論
信頼できる予見者は必ず私の最終選択を予見したはずだ!
2⃣を選んだ人は素直に「信頼できる予見者」の能力を認めたのではないでしょうか。未知なる予見者は本当に未来を予見できる可能性があるかもしれないのだから10万円なんて気にしないでこの選択が最も安全ではないか。
本当にそれでいいんですか?貴方が箱Bを選ぶという事は貴方は既に箱Bには1億円入っていると思ってるのでしょう。ならば両方もらったらどうですか?
ようこそ迷宮へ
このパラドックスは、自由意志と予知、そして合理的な選択に関する深い問題を提起します。もし予知者が常に正しい予測をするとすれば、箱Bだけを選ぶことが最も利益をもたらす選択となります。しかし、もしプレイヤーが合理的な選択をするとすれば、予知者はその選択を予測しているはずで、結果としてプレイヤーは何も得られない可能性があります。一方で、予知者が間違う可能性があるとすれば、両方の箱を選ぶことが最も合理的な選択となるでしょう。
ニューカムのパラドックスは、哲学、心理学、ゲーム理論など多くの分野で議論されており、人間の行動、決定、そして合理性についての理解を深めるための重要なツールとなっています。このパラドックスは、単純なルールの中に複雑な戦略と人間の心理を組み合わせ、私たちがどのように未来を予測し、選択を下すかについて考えさせるものです。
蛇足//私(筆者)の選択とその理由
私は2⃣の箱Bのみを選びます。
その理由は科学でも哲学でもありません。結果に対する落とし前からの逆算です。1⃣を選んで箱Bが0円だった場合「そら見ろ予見者はお見通しだったのだよ」で場が成り立ちます。しかし2⃣を選んだのに0円だった場合「予見者出て来い!(怒)」な展開になるのは必至です。しかし未来の他人の選択を完全に予見できる「信頼できる予見者」などはいないとも思います。ではどうするか。
私が予見者ならトリックを仕込みます
トリックとはこんな仕掛けです。
- 箱Bには1億円は入れておきます
- 360度カメラと音声センサーを箱に仕込み行為者が1⃣か2⃣かどちらを選ぶかを感知します
- 1⃣を選んだことを感知した場合のみ中の札束を溶かしてしまう仕掛けをします
この装置は今の科学でも十分に作れそうですよね。
つまり必ず当たる予見者のふりをする事はできるという訳です。
「信頼できる予見者」の肩書を持つ人は必ず予見が当たる方向に最大限の努力をするはずだ
あまりにもナナメ上を行っていて誰も考えなかったかもですが私の選択の最大の根拠です(お粗末ながら
コメント すみませんが海外スパムが大変多い為手動認証してます。基本、日本語のコメントは全て認証します。