「円安を止めろ黒田総裁!日本も利上げするべきでは!」そんな声がやたら聴かれる昨今、単純に金利を上げると日銀が債務超過に陥るジレンマがあるようです
中央銀行である日銀が債務超過になる事なんてあるの?
中央銀行も普通の民間企業と同じ様にただ単純に債務が資産を上回れば債務超過になります
ただし中央銀行の場合これを回避する手段がとても多くあるため、専門家でも中央銀行が債務超過になっても全く問題はないとする意見もあります
ただし債務超過を回避するにしてもその手段によってはリスクや痛みを伴います
- 円の信認が大きく損なわれ激しい円安に見舞われる
- 財政縮小や増税に伴う国民生活の痛み
- 先送り的手法による次の世代への負担
さらにはこれらを伴わないで済む方法もまだあるかもしれません
何で日本だけは金利を上げると中央銀行が債務超過になるの?
何故政策金利を他国に同調して日本も引き上げると日本だけ中央銀行が債務超過になるのか
日本だけ何がちがうのさ?
これは皆様ご存じの2013年から延々と続けてきた「異次元緩和」のせいなのです
異次元緩和でもとりわけ株のETF買いの方では無く国債買い取りの方が問題なのです
投資家の我々はETF買いの方ばかりに目が行きがちですが実は500兆円にも達する買い取った国債残高の方がETF等よりもはるかに圧倒的なヤバさなのです
膨大な国債残高をかかえるとなんで債務超過になるの?
ここはちょっと小難しいです
日銀の異次元緩和は政府の新規に発行した国債よりも多い量の国債を買い取るので民間金融機関から大量に国債を買い取ります
民間金融機関は国債を日銀に売って現金が入ってくるのでお金が潤沢になります、ジャブジャブです
これが所謂「金融緩和で市中にお金がジャブジャブまわってる状態」です。量的緩和と言われてるヤツですね
しかしそうは言っても民間金融機関だってそうそう融資先が一機に増えるわけではありません
余ったお金は再び日銀に「超過準備金」として預けられます
そしてこの超過準備金には金利がつくのです
さらには日銀が政策金利を引き上げると超過準備金の金利も引きあがるのです
この引きあがった超過準備金の利払いが膨大な額となって日銀は債務超過に陥ってしまう
簡単に書くとこんなロジックなんです、なんだかお金が行ったり来たりしてややこしいのですが
(その他にも金利上昇は債権価格の下落を意味しますので日銀の保有する国債の価値の下落による評価損も発生します)
上の様に量的緩和で銀行にお金をどれだけ入れても銀行が日銀の思惑ほどは融資しないで日銀にまた預け返してしまうので、銀行を経由しないで直接市場に資金を入れる緩和策が日銀のETF買い(愛称黒田バズーカ)なのです
金利を上げて債務超過も回避する方法はあるの?
方法はいくつかあります
- 増税して増えた税金で日銀の利払いを賄う
- 政府の支出を圧縮して日銀の利払いを賄う
- 銀行への法廷準備率を引き上げる
- 特別な国債(交付国債)を発行して賄う
- ヘリマネを導入する
いずれにしろ国民に大きな痛みが伴ったり円の信認に影響を及ぼしかねなかったり、金融機関間の格差を生んで最悪金融不安を引き起こすかもしれなかったりでどれもパっとしません
そうなんです、いずれもパッとしないんです
黒田総裁が金融緩和継続にこだわるのが解ってきましたでしょうか
実は金融緩和にこだわっているワケではなくて財政に問題があったのです
異次元緩和、そのまま続けていられるウチは全く問題はおきない三方良し
ただしその急所は金利上昇インフレ局面
それがまさに「今」の局面なのです
黒田総裁はどの道を選ぶの?
こればっかりは全くわかりません、私ごときには
ただ今の日本だけが政策金利を上げない状態を続ける事は不可能なのではないかぐらいは何となくわかります
円安がハンパないスピードで進行しているので・・・・
日銀債務超過の危機
どうかこれを何とかうまい事回避してインフレ円安に対応して下さい、日本のエライ人たち頼んます
なを当記事は下記の2017年にして既に現在の危機を予見した専門家様の下記のレポート(pdf)を専門用語をなるべく平たい言葉にして書きました、やはり専門家の方は流石です(スマホの方はpdfをダウンロードしてダウンロードフォルダ内にある「201707100952457076.pdf」を見に行って下さい)
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