胎内で性分化する脳!「男脳」「女脳」は確実に存在する。何故ウソだという嘘が拡散するのか

一時「話を聞かない男、地図が読めない女」という本が話題となりました。男女の脳は生得的にこれだけ異なるのですという内容ですが、この本の内容がファクトであるかどうかは未だ確たる事は言えませんがこれだけは確実に言えます。男と女の脳は違う、男脳と女脳は確実に存在します。当記事は男脳女脳を実証し何故ウソだとするウソが拡散するのかも紐解きます



はじめに

この記事はあくまで科学的な視点で見つめます。いわゆるジェンダー論的な「結果はこうであってほしい」というほしい結果ありきの論法を全て否定します

この記事で言う「男脳」「女脳」とは所謂いままでさんざん語られてきた「男脳は論理的」「女脳は感情的」のようなものではありません。この記事で言う「男脳」「女脳」とは野生哺乳類動物と同じレベルでのオス的行動をさせるヒトの脳、メス的行動をさせるヒトの脳の事であり、なおかつ生得的*に既に存在するヒトの脳の性差の事を「男脳」「女脳」と呼びます

(*生得的とは生まれた時に既に持っているという意味です。社会的に後天的に持ったものでは無いという意味でもあります)

「男脳」「女脳」がウソだとする主張、そのロジックの正体

グーグルで検索すると「男脳」「女脳」は科学的に反証された、ウソであるという記事がたくさんでてきます

しかしこれらを読んでみると『「男脳」「女脳」の根拠として通説となっていた「男脳は海馬が大きい」「女脳は脳梁が太い」という過去の観測結果は現代科学の研究結果において再現できませんでした』と言うイビデンスを示しているに過ぎないのです

つまり過去の通説を再現できなかったので過去の通説は誤りです

これを示しただけです

これを基に「男脳」「女脳」は存在しないしウソだとする主張はいわゆる「男脳は論理的」「女脳は感情的」とまで断定する「男脳」「女脳」論に対してなのでしょう

これはこれで半分正しい主張です。何故半分しか正しくないかと言うと過去の観測結果を再現できなかったので過去の論理は破綻したけれども完全に存在しない事は全く示せていないからです

つまり「男脳は論理的」「女脳は感情的」とまで断定する「男脳」「女脳」の新たな証拠がみつかる可能性はまだあるかもしれないという事ですがこの否定は悪魔の証明に近いかもしれませんし本記事の主題では無いのでこれ以上は言及しません

しかしながらこれをもって本記事の主題である男と女の脳の生得的な性差そのものがそもそも存在しないと断定するのは明確な行き過ぎと言うかはっきり誤りです

何故ならこの脳梁と海馬の件は生得的な性差としての「男脳」「女脳」の根拠とされた過去の観測結果のなかの一部でしかないからです

脳性差否定記事はこれらとは別の決定的な過去の観測結果を常に無視しています(筆者は意図的だと推定します)

それは、胎児期のとある一定の時期にとある男性ホルモンを受け取った脳と受け取っていない脳では生まれた後の行動や性自認に明確な差が生じるというものです

次の章ではこの点についてさらに詳しく書いていきます

最新脳臨床研究における成果、既にこれだけ解っているのだ

胎児期のとある一定の時期にとある男性ホルモンを受け取った脳と受け取っていない脳では生まれた後の行動や性自認に明確な差が生じるとは具体的にどのような事なのか

それは哺乳類に共通してみられる現象(マウスでは生後)なのですがヒトでいうと妊娠12~22週頃(臨界期)にテストステロンという男性ホルモンを胎児の脳が受け取るとオス的行動をさせる男性脳へと成熟する、逆に受け取らないと女性脳へと成熟するというものです

幼児に絵を描かせると明らかに男児の描いた絵だ女児の絵だと明確に解るものが散見されます。良く見分けがつく絵の特徴として男児は乗り物の絵、女児は自分と花の絵である事が多いですが他にも色の使い方や選び方なども見分けを容易にしていると思われます

しかし問題が発生して臨界期にテストステロンを受け取ってしまった女児では男児が良く描くタイプの絵を高い確率で描いたりします

筆者のつたない説明では誤解も生じるかもしれませんので国立精神・神経医療研究センター(国立研究開発法人)のサイトから引用します

(引用元:男性脳・女性脳をつくる新たなメカニズムの解明)

男性脳・女性脳をつくる新たなメカニズムの解明 | 国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター National Center of Neurology and Psychiatry

男性脳と女性脳

男性と女性では、ものの考え方や嗜好などの傾向が違いますが、少なくともその一部は脳の違い(男性脳・女性脳)を反映していると考えられます。ある脳領域では、神経細胞やシナプス(神経細胞同士の結合部)の数が男性の方が多いとか、女性の方が多いとか、あるいはそこで働く遺伝子が男女で少し異なるとか、男性と女性とでは脳の構造や機能が少し異なることが知られています。実は私たちヒトを含む哺乳類の脳は、最初はほとんど男女(オス・メス)で変わりがありません。しかし、発達途上のごく一時期である「臨界期」(ヒトでは妊娠12~22週頃、マウスでは出生後一週間)に、脳が男性ホルモンの一種であるテストステロンを受け取ると男性脳へと成熟していくこと、もしもその時期に脳がテストステロンを受け取らないと女性脳へと成熟すること、などがわかっていました(右図)。しかし「臨界期」よりも早い段階での発達のしくみについては、ほとんど何もわかっていませんでした。

この引用の様に臨界期にテストステロンを受け取ると「男性脳」に、受け取らないと「女性脳」へ成熟するというのは科学的既成事実なのです

またこの事を示す記事は何もこの国立精神・神経医療研究センターの記事だけではありませんし最近になって判った事でもないのです

さらにこの国立精神・神経医療研究センターでは新たなる発見をしています

それはこの脳分化の仕組みはテストステロンを受け取ったか否かだけではなく事前準備に遺伝子の作用も必要としていることをマウスの実験で突き止めたのです

再び引用します

男性脳・女性脳になるための「準備状態」

私たちは、Ptf1aと呼ばれる遺伝子が、「臨界期」より前の脳発達期に、視床下部 と呼ばれる脳領域でONになる(専門用語では遺伝子が発現すると言います)ことを見出しました。次に、視床下部でPtf1a遺伝子を破壊したマウスを作製したところ、 オスはオスらしい行動を示さず、メスもメスらしい行動を示すことができなくなりました(右図)。Ptf1a遺伝子を破壊したマウスをさらに詳しく調べたところ、オスの脳が「臨界期」にテストステロンを受け取っ ているにもかかわらず男性脳になれず、またメスの脳はテストステロン受け取っていないのに女性脳になれていないことがわかりました。このことから、「臨界期」のテス トステロン受容の有無によって脳が無条件に男性脳・女性脳へと成熟できるわけではなく、「臨界期」以前に脳がテストステロンの有無に反応できるための「準備状態」(性分化準備状態)をとっておく必要があることが、新たにわかりました。

もちろん国立精神・神経医療研究センター(国立研究開発法人)という研究機関は立派な機関なのでマウスの実験結果を持って直ちにヒトも同じだろうなどとは言いません

あくまで慎重な議論が必要だとしてします

もしヒトもマウスと同様に「準備状態」(性分化準備状態)をとっておく必要がある事が証明されたなら生まれたばかりのヒトの脳には3種類存在する可能性を示唆します

それは「男脳」「女脳」そして準備段階で何らかの支障があった時にできてしまう「中性脳」

この新しい知見はLGBT等ジェンダー問題を科学的に解明する為の大きな武器になるかもしれません

ただ少なくとも現段階でも「男脳」「女脳」が存在する事は間違いない訳であり

『生得的性差としての「男脳」「女脳」は存在しないという言説は明らかにウソである』

これだけは確実に言えるはずです

何故ウソだとする嘘が拡散するのか

最後に公的機関がここまではっきりと公言している様な状況なのに「男脳」「女脳」は存在しないウソだという嘘が何故拡散するのかを考察します(これより先はあくまで筆者の推論です)

それはやはりジェンダー論やフェミニズムがそうさせているのではないでしょうか

世間に拡散してしまった「男は論理的」「女は感情的」とまで断定する意味での「男脳」「女脳」

ここまでの一律な完全断定は現段階では否定するべきものです

まだ確定もしていない推定の言説によってさまざまな可能性が委縮させられてしまう事はあってはならないはずです

しかし生得的な脳の性差と言う意味での「男脳」「女脳」は間違いなく存在するのです

にもかかわらず生得的な脳の性差の存在そのものを全否定してしまう言説が拡散したのは何故なのか

単に上の両者の違いもわからないまま記事のヘッドラインだけ見て誤解したひとも多いでしょう

しかし筆者には多くの否定記事があえて上の両者の違いを曖昧に見せて誤解する様に誘導している様に見えるのです

ジェンダー論やフェミニズムの一部の派(ラディカルフェミニズム)には男女間には生得的な差は無く現在存在する性差は全てジェンダーバイアス(旧来の男女の役割分担を当然のものとする意識や風習)によって構築されたものだという主張があります

それらの主張の根底を覆しかねない不都合な真実とみなされているのではないでしょうか生得的な脳の性差の存在は

もしこれらの私の推定が合っているのであればジェンダー論やフェミニズムの一部の派の人たちは科学的事実を事実として受け止めて主張を一部なりでも修正するのが社会学の正しい科学との向き合い方なのではないでしょうか

まだ幼い男児が男児らしい行動を示すのは男児と女児で育て方をそれだけ変えてるせいなのだ、変えてる親が悪いのだなどという男児を持つ親に対する誹謗中傷も既に発生しています

また男児をフェミニズム思想に都合がいい様に洗脳教育したい圧力も一部フェミニストには生まれつつあり恐ろしいことにジェンダー平等の美名のもとに一部活動も始まっています

歴史に学ぶべきです

どんなに宗教が否定しても科学が示した地球が丸かった事実は覆せなかったじゃないですか



コメント すみませんが海外スパムが大変多い為手動認証してます。基本、日本語のコメントは全て認証します。