「これですね(笑)」そう言って店員さんはさりげなく差し出してくれる。私の返事も決まってこれだ「ハハっありがとう」それは一粒の清涼剤のような一幕なのだ
顔パスとかツケ払いでもしてるのかニャ
私はよく行きつけたコンビニは顔パス状態になる率がとても高い。
タバコの銘柄を言わなくても、姿を見るなり店員さんが自動的に出してくれるのだ。
しかもこれは一店舗だけの話ではない。
私がまだ勤めていた時の会社近くのコンビニでもそうなったし今の自宅近くのコンビニでも起きている。
特筆すべきはまだ勤めていた時のコンビニはただのいちコンビニ店ではない。ある大手コンビニチェーンの一号店、直営基幹店なのだ。
対して自宅近くのコンビニは郊外もいいところなので一般的フランチャイズ店だ。
両者には全く共通点はない。
でも、これにはある共通の法則があることに気づいた。
顔パスをしてくれるのはだいたい20代くらいの男性店員さんだけなのだ。
顔パスは本来のサービスの範囲を超えている。でも、彼らはなぜかそれを楽しんでいるように見える。遊び心なのか、冒険心なのか、もてなしの心なのか。
私はこの現象に興味を持った。
私がコンビニで買い物をするのはタバコだけだ。なので入店してもどこも物色せず一目さんにレジに向かうのとほぼ毎日買いに行くのが特徴だ。
何度も同じ行動を見ていれば店員さんなら誰でもいい加減覚えてしまってもおかしくはない。
私が興味を持ったのは何故20代ぐらいの男性だけが顔パスでサービスしてくれるのかだ。
ちなみに私の外観はいかにも50代のさえない普通の男であり特に威圧的なオーラを発しているとか態度が怪しいという事はない。自分で言うのも何だが。
彼らが初めて顔パスをするとき、たいがい慎重だ。最初にやるときは自信がなさそうに「これですか」と確認してくるからだ。私はそういう行動に感謝するタイプなので笑顔で「ありがとう」とお礼を言うのが顔パス開始の儀礼になっている。
どうして20代の若者だけが私に本来以上のサービスを提供してくれるのか。
彼らは彼らなりのプロフェッショナルを目指そうとしているのではないだろうか。
本来のルールを超えることができるのは若者が持つ大きな可能性なのだとも思う。
私の世代あたりから5歳下ぐらいまではかつて若者だった頃「マニュアル世代」と呼ばれていた。
デートマニュアルに始まってサークル選びマニュアル、合コンマニュアルとあらゆるものにマニュアルがあって当たり前な空気感。反対にマニュアルを外れると恥ずかしいことしてる感さえあった。
そんなマニュアル世代から見ていまの20代男子、なかなかやるじゃないか、いいぞもっとやっちゃえ-って応援したくなるこのごろなのでした。
個人を覚えてくれている顔パスはもはや都会の特別なのかもニャ
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