ヘッジファンドのブルーベイ・アセット・マネジメントは日本銀行と闘うつもりだ。天下の日本のしかも中央銀行に闘いを挑むヘッジファンドに勝機はあるのか
日銀に果敢にも勝負を挑むヘッジファンド・ブルーベイ・アセット・マネジメント
ヘッジファンドのブルーベイ・アセット・マネジメントは日本銀行と闘うつもりだ。
日銀は債券利回りを抑える取り組みを強めているが、ブルーベイは他の主要先進国・地域の金融当局の方向性に反するこの政策を日銀が放棄せざるを得なくなるとみている。ブルーベイの最高投資責任者(CIO)、マーク・ダウディング氏(ロンドン在勤)によれば、日銀のイールドカーブコントロール(YCC)は「維持不可能」だ。
同氏は13日のインタビューで「かなりの額の日本国債をショートしている」と語った。
インフレ高進で世界の債券利回りが上昇する中、トレーダーはますます日銀を試しつつある。元ゴールドマン・サックス・グループのチーフ通貨エコノミスト、ジム・オニール氏やJPモルガン・アセット・マネジメントのシーマス・マクゴレーン氏も日銀が最終的に金利を巡る姿勢を転換させると予想している。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は昨年11月にYCCを放棄した。
10年物日本国債の利回りは13日に日銀がYCCで許容する変動幅の上限を突破し、日銀が国債の買い入れを加速させてより長期の国債をオペに含めることにした後も、高水準にとどまっている。
Bloombergより引用
日本国債の売りで日銀YCCに果敢にも勝負を挑むヘッジファンドそれは
ブルーベイ・アセット・マネジメント(以下ブルーベイ)
はたして日銀が民間ヘッジファンドに屈するなんてことになるのでしょうか
このブルーベイVS日銀、ツイッターでもかなり話題になっています
ツイッター民の意見はだいたい下のふたつ
- お札を無限に刷れる日銀と闘って勝てるはずがない
- 過去に日銀に勝負を挑んで勝ったヘッジファンドはひとつも無い
あらかたの人は日銀勝利を予想しています
さあこの勝負いったいどうなる
もしガチンコ勝負に行ったら秒殺レベル
結論から言うと日銀に日本国債の売り叩き勝負をガチで行えば秒でそのヘッジファンドは吹き飛ばされるかもしれません、全く勝負になりません
日本国債先物の市場規模はだいたい1日あたり4兆円規模(1枚1億円X40000枚/日の大勝負)
ヘッジファンドが命がけの100倍のレバレッジをかけて勝負にでても1日あたり400億円の証拠金が必要
売り叩き中は基本的に毎日400億円以上の新規資金調達が必要な勝負になります
一日でも追加の証拠金が用意できない日があれば全てはオジャン
一方日銀は通貨発行権を持っている為資金調達コストは極めて安い上に調達上限額無し、無限のパワー
とてもじゃないが勝負にはなりません
それじゃあ日銀に果敢にも挑戦したヘッジファンド・ブルーベイは悲しき敗者になってしまうのか
それが、そこのところは「そうはならない」なのです
そもそもブルーベイは日銀を屈服させる気なんてない
だれも小動物サイズの我が身をかえりみずに巨像に立ち向おうなんてものはいません
そもそもブルーベイは日銀を屈服させるまで戦うなんて言っていません
ブルーベイが言っているのは「かなりの額の日本国債をショートしている」ってだけ
だれも売り叩き勝負をするなんて言っていないのです
つまり、かなりの額の日本国債先物の売りポジションを持っているだけで、これからもどんどん買い下がっていく(売り叩いていく)なんて記事中のどこにも書いていないのです
「日銀YCC政策の変更を予想してその時までじっと売りポジションを持ち続けます、限月もカレンダー取引で更新していきます」
ブルーベイの戦略はこれなのではないでしょうか
これならブルーベイが勝つ可能性は十分にあります
ただしブルーベイが勝つ相手は日銀ではなく、「自分の投資戦略」に勝つのです
日銀からしてみたらブルーベイと勝負していたなんて意識は微塵もないでしょう
そもそも日銀は先物市場にはいっさい手を出しませんし
ブルーベイの肩を持つ訳じゃないですが本来長期金利は市場に価格決定権があるはずでYCCの名の基に中央銀行が価格を支配し続けるのはやはり今回の様な反乱を招きかねないのも確かです
そしてブルーベイに続くファンドが続出してくると日銀としても少しやっかいな展開になるかもしれません
ブルームバーグの元記事タイトルに釣られた人いっぱいいましたが、ムキになって日銀勝利を叫ぶツイッター民、愛国心みたいなものが見えてなんか誇らしかったですよ、みんな日銀の負けを叫んでる様な国じゃあね~
コメント すみませんが海外スパムが大変多い為手動認証してます。基本、日本語のコメントは全て認証します。