金融政策で読み解く相場の今後

日銀は万年マイナス金利なのでアレですが、米国FRBは景気動向に合わせた金利変動政策が今でも健在ですね。この記事ではそんなご健在なFRB金融政策の動向に主眼を置いて激動の相場の今後を読み解いてみたいと思います

FRBアクセルフルスロットルの理由とは

前回のサブプライム相場の頃から新たな強気相場の起点は大規模金融緩和による過剰流動性相場です。

FF金利を下げれば景気にアクセルをかけることになり、逆にFF金利を上げれば景気にブレーキをかける事になります。

FRBはなるべく景気の大山と大谷ができない方向へとFF金利を設定します。

つまり今、FRBがFF金利をゼロにしたという事はFRBは今、最大限の景気刺激策が必要だと思っている事を示す訳です。

ゼロ金利に加えて量的緩和(国債買いまくりで市場に現金を大量にばらまく)も行うとなると金融緩和政策としては最大限のフルパワー状態となります

でも少し考えてみれば

ほんの1か月前にはダウが史上最高値を更新していた→翌月にはいきなり景気の全力対策が必要になった。

劇的な程の変化です。

その理由が新型コロナウイルスのパンデミック化による実態経済の大停滞と見るのは簡単です。しかし本当にそれだけでしょうか。

ここが今の相場をどう見るかの最大の焦点です。

つまり相場の底値は近いのかまだまだ深い底があるのか、相場が底を打つ日柄は近いのかまだ1年~3年も先なのか・・・

ほんの1か月前にはダウが史上最高値を更新していた→翌月にはいきなり景気の全力対策が必要になった。

本来 新型コロナウイルスのパンデミック化による実態経済の大停滞 への対応は政府の仕事ではないでしょうか。

何故、中央銀行たるFRBがここまで迅速に対応するのか。

それは、事態が複合的な金融危機に発展するのを阻止する為ではないでしょうか。

前回相場で例えるなら、リーマンショックが起こる約1年も前からサブプライムローンの問題は既に健在化していた訳であり、今現在の状態はまさにこの段階なのである。・・

今回最も懸念されるのはCLOですが、これについてはまた別の記事にて述べさせていただきます。

しかも今回の場合いきなり実態経済が急速かつ大規模に打撃を受けているため、複合的金融危機へと向かうスピードもサブプライム問題の時よりもはるかに速いはず。

それを暗示するかのような圧倒的な相場の下げスピード。(まあこれにはムリムリな天井圏からの即座水準是正の分も過分にあるでしょうが)

FF金利の設定サイクルから見た景気動向とは

ワクチンもすぐに開発されてアクセル全開フルスロットルの金融政策とこれまた前代未聞クラスの米政府対応によって新型コロナウイルスの影響を抑え込めたなら景気は即座に回復するのでしょうか。

株価のV字回復を期待する向きには唯一のシナリオです。

とものはこんな最高の条件がそろってもなを、景気は停滞方向に行くと見ています。

それはまたしてもFRBのFF金利政策の動向からある程度推察する事ができます。

FRBはFF金利を2019年8月にそれまでの2.5BPから0.25BP下げ2.25BPにしました。これは約3年半ぶりにFF金利を上げ方向から下げ方向へと転じた大きな節目となる出来事です。

その後もFRBはFF金利を3か月の間に順次0.25BPづつ2度下げています。

明らかに新型コロナウイルスの発生前からFRBは景気後退へ向けた布石を打っていたのです。

つまり景気循環サイクルは新型コロナウイルス問題が全く発生していなかったとしても、もともと後退局面に入ろうとしていたのです。

今後の相場を読み解く

以上のことからともの流で今後の相場を読み解くと

  • V字回復はまずない
  • 金融危機が起きてしまう確率は高い。底値はまだまだ深い
  • 底値までの期間は不透明もそんなに遠くはない

こんな読み筋がでてきます。読み筋はFF金利以外のさまざま要素も全て織り込んで組み立てるものですが、FF金利だけの説明でもかなりとものの読み筋の説明にはなったのかなと思いつつ今回の記事の筆をおかせていただきます。

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