あなたが今手にしているそのスマートホン。少し古いとか解像度が低いとかいろいろとご不満もあるかと思います。しかしながら15年前の筆者が夢に夢見た、理想の中の理想の環境がそこにあるのです。
15年前の早すぎたPDA モバイラー。筆者が出くわした悪戦苦闘の日々を見て頂いたならば、あなたのスマホ、とっても愛おしく見えてくるかもしれません。
早過ぎた欲求 15年前にスマホを夢見た男の悪戦苦闘とは・・
スマホ?そのガジェット果たして何ぞや
この画像、何だか解かりますか。一見スマホに見えるけどどこか雰囲気が違う・・・・。実はこれこそが今記事の主役のひとつ「PDA」なるものです。正式名称は、「SONY CLIE PEG-NX80V」 。筆者がこれまでの人生で最も衝撃を受けたガジェットのひとつなのです。
PDAとは何者か?、それは1990年代に登場し2007年ごろまで存在したインターネット接続のできる電子手帳。または性能度外視で「通話機能のないスマートホン」。
PDAしか無い
時に2003年、株式投資を始めた筆者はモバイルでも証券会社のPC向けサイトにアクセスしたい欲求を強く持ち始めました。当時主流の「iモード」では限られた情報しか見ることが出来ない。やはりPC向けサイトの豊富な情報をモバイルでも手に入れたかったのです。
ノートPCでは使用シーンが限られるからダメ。欲しかったのは、まさに今のスマホそのものでした。当時タブレットPCなどあるはずも無い。そしてついに
「これだ。これを探してたんだ。」
クリエNX80Vに出逢うと同時に心がそう叫んだのです。この時,筆者はこのガジェットが現代のスマホ並みにサクサクとインターネットができるものだととてもとても大きく夢をふくらませたのでした。
本体購入もインターネット回線は・・・・
さて、早速お買い上げしたNX 80V ですが、(ちなみにお値段約6万円)実はPDAというのは通信会社とは無関係に販売されるものでそれ単体ではインターネット接続する事はできません。筆者もその事は知っていたので、店員さんに止められながらも、とりあえずケータイ電話と接続できるケーブルを一緒に買っておきました。
さて通信に必要な設定をどうにかこなして、買って来たケーブルをデジタルムーバへと繋ぎいざインターネットの世界へー
ぴーひゃらピーヒャラと通信を始めるデジタルムーバ2G
ぴーひゃらああああああ、ぴーぴーひゃらああああああああああ
「・・・・・・・遅い。遅いなんてもんじゃないぞ。まるで話にならんぞこりゃあ」
『遅いってそりゃあなた、そのケータイ、通信速度 9600bps だものあったり前でしょ9600よ9600、キロとかメガとか一切付かない素の9600よ。』と知ってる人なら突っ込みたくなるやつです。
Air-H”・・・やはりそうなるな
こうなるとNX80Vに残された希望はひとつだけです。自慢のCFカードスロットにPHS通信カード「Air-H”」を挿すのみ。これも本体約1.5万円ぐらいかかり、月々3000円の出費も確定。通話用には別途ケータイを持つ事を鑑みると費用面で今のスマホよりも負担が重いです。
ここまで来てようやく、あなたが新しいスマホを店頭で受け取った瞬間の状態にたどりついたのです。これじゃあPDAって廃れる訳だよなぁそりゃぁ。
ちなみに筆者は幸いにも問題なっかったのですが、謎の相性問題によりどうしてもAir-H”が動いてくれなくてインターネットを諦めたなんていう超不幸な方さえもいらっしゃいます。そりゃ廃れるわなぁPDA。
PHS・・・たいがい不安定、されど時に爆速の気まぐれ姫
さて、ようやく現代スマホユーザーが本体を買った瞬間に追いついた筆者。さっそく自慢のAir-H”(通信速度128kbps)の刺さったNX80Vで通勤電車内でインターネッツ。前回撃沈した9600bpsに対して今回は128kbps、つまり128000bpsだ文句ある?。期待に胸膨らむ筆者。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おっ速いぞ!・・・?・・・・・・切れた!・・・・・・速い!!・・・?・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・?・・・・・・あ速い?・・・・・・・・切れた・・」
「わ、解からない。速いのか遅いのか。何なんだこりゃぁ・・・・・・・・・・」
そう、Air-H”を含めPHSはその特性上、移動していると通信速度が極端に落ちたり接続自体が不安定になる宿命があったのです。
性能に合わせた行動をするしかないのだ
かなりがっかりです。でも他に手立てはありません。こちらの行動をその性能に合わせるしかないのです。「なるべく軽いサイトしか見なければいいのだ。」
結局、当初夢見たものとはかなり違うモバイルになってしまった。
ただしインターネットでは大がっかりだったけれども、このNX80Vというガジェット。他の機能がものすごかったのです。ちなみにまだケータイにはそれらの機能は搭載されていなかった時代です。
NX80Vのすごい機能(2003年での実装です。めっちゃ時代先取りです)
- MP3プレーヤー機能
- 動画再生機能
- ゲームソフトインストール機能
- ボイスレコーダー機能
- 電子書籍リーダー機能
- デジタルカメラ搭載
- 仕事にも便利な手帳機能
これらの機能のほぼ全てに筆者は夢中になりました。インターネットこそがっかりだったけれども、このガジェット1台でどれだけ未来を体験できたことか。
もはやNX80Vの無い生活など考えられないレベルでした。
しかし時代は進みます。SONYが出した超ヘンタイ小型PC VaioU-50の登場とともに筆者のNX80Vはその役目を終えました。
U-50についてはまた別の機会にお話するかもしれません。
つくづく・・・・・・・今ってほんと、モバイル天国だよなぁ。なんで昔はあんなに苦労したんだろ・・・・・・・・・。
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