どうして巷の株式投資の話には長期スパンの目線があまりないのか

はじめての株式投資で痛烈パンチ

私が株式投資を始めたのは、2003年でちょうど「ソニーショック」の年でしたので、かれこれ15年も前の話になります。
ちょうどというか実は初めて買った株がまさにこの「ソニーショック」直前のソニーだったのです。



株をやらない人は「ソニーショック」って何?と思うかもしれませんので簡単に説明すると「ソニーショック」のソニーとは、あのプレイステーション(PS4)やウォークマン、スマホのエクスペリア等で有名な「SONY」です。
2003年という年はどういう年かというと、すでにバブルは崩壊し、さらに後日「失われた20年」とまで言われた株式市場の低迷期の中でも更にどん底の頃合いなのです。
そんな中にあっても「SONY」株は日本株式市場におけるスター的カリスマ性をいまだ保っていました。
さすがに世界の「SONY」まで崩れる訳はない!という市場のコンセンサスがまだそれでも有ったのです。
ところが同年4月24日に発表された「SONY」の前期3月期の連結営業利益が、市場予想を約1000億円も下回ったり、当期営業利益見通しも大幅減益との発表まで飛び出し、「SONY」株は2営業日連続ストップ安となり株価は2720円にまで大幅下落したのです。
誰が言ったのかは忘れましたが 「ソニーよ!お前もか」 というフレーズはこの時この瞬間の日本株式市場全体の絶望感をあまりにもうまく表現していると思えてなりません。
さらにこの絶望は市場全体にまで大きく波及し、ついにバブル後最安値更新の日経平均7700円割れを記録するに至りました。
やや長くなりましたがこれがいわゆる「ソニーショック」の概要です。
私が始めての株式投資で買った夢と希望の株のはずだった「SONY」、買値は忘れもしない3970円でした。
つまり株をはじめた途端にいきなり30%もの損失となる痛烈なパンチを見舞われた訳です。
そのこと自体はかなりのショックではありましたがそんな「SONY」株をすぐに売り去ってしまいたいとは思いませんでした。
人によってさまざまではあるでしょうが、はじめて買った銘柄というのは、元々その人がその会社のファンだったりする事が多いのではないかと思います。
私もそのクチで、電気製品を買うならまったく迷わずソニー製にするほどの大のソニーファンです。
ですからこんな「ソニーショック」ですら「SONY」株に嫌気がする様なものではなかったのです。
いいか悪いかは置いておいて「投資家はその会社のタニマチである」を地で行く姿勢です。


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それから15年経って

そんな私ですのでこの株は2018年の今でも保有しています。
といってもこの15年間に買い増したり一部売却したりの出入りはかなりありましたが、とにかく株を始めてから此の方「SONY」株については常に最初に買った100株分だけはホールドし続けています。
ちなみに2018年4月20日の終値は5385円となっています。
誤解しないで下さい。私はここで「どんな株でも長く持てば必ず良いことがある」などと言いたい訳ではありません。現実そんなに株式投資の世界は甘くありません。
ひとつの銘柄を長く持っていると必然、その銘柄の値動きを長期的な期間に渡って見続ける事になる訳です。さて、15年も値動きを見続けているとどうでしょう。後からチャートで見ただけでは解らなかったであろうものがいろいろ有ったと思います。
中でも特に自分はこれが大きいなと思うのは長期的スパンでの相場観が持てる様になった事です。
投資の格言で「大回り3年」というのが在りますが、これはひとつの大きな相場の周期(一般に言われているのは山と谷の期間)が大体3年であるとしたものです。
実際の相場は必ずしもこれに当てはまる訳では有りませんが全く先の読めない相場を何とか読もうとする時には一つの目安になる格言です。

此の3年の周期を基本型として様々な状況に応じて相場周期が伸びたり縮んだりする、ある時には2クール分(6年)継続する事さえある。でも必ず相場には終わりが来る。

これが、先ほど申し上げた長期的スパンでの相場観の概要です。こんな事を解るだけの為に15年もひと銘柄をwatching したのか?と思われた方も多いと思います。
でも実際の株式投資の現場では意外と此の事が殆んど語られないのです。
理由は色々あると思います。
例えば、大相場の末期には猫も杓子も株株言い出し誰も彼も株に手を出すような状況になりがちと言われます
証券会社は今こそがかきいれ時とばかりに勧誘攻勢の電話を掛けまくります。
どのメディアを見てもまだまだ騰がるの一点張り、どこを見渡してもこのまま永遠に上昇相場は続いていくという雰囲気に満ち満ちています。いわゆる総強気相場状態です。
でも冷静に先ほどの長期スパンでの相場観を持ってして今の相場のポジションを考えれば、そろそろ天井は近いのではないかと言う警戒を抱く事が出来ます。
たったこれだけでも、回避できるリスクは莫大です。
更に加えて知識として知っているとのと身を持って実感しているのとでは実際の行動に大きな差が生じます。
大相場の末期というのはトランプのババ抜きゲームの状態です。
決してババを引いてはいけないのです。
にも関わらず、総強気相場になってしまったら、「もはや株価はバブル圏では?」という冷静な声は掻き消されてしまいます。
でも

それでも決してババを引いてはいけないのです。

まとめ

3年の周期を基本型として様々な状況に応じて相場周期が伸びたり縮んだりする、ある時には2クール分(6年)継続する事さえある。でも必ず相場には終わりが来る。

当記事はあくまで筆者の経験から得た相場の傾向の感覚であり何らかの保証をするものではありません。投資に関わる事象の全ては本人の自己責任となります。

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