大げさではなくマジモノで世界が注目の日銀政策決定会合7/30-7/31。
結果について日銀ホームページに掲載の公表文をパッと見ると 「今後も異次元緩和を強力に続けます」 に見えます。
ところが何度も読み返してみると 「ステルステーパリングするね」 という日銀の隠れ思惑がだんだんと見えてくるような気がします。
個人投資家にとって最も興味のあるETFに関するところでいいますと
① ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。その際、資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動しうるものとする
という文言なのですが、確かにまず言っている事は
「年間6兆円買入れる」
ですがこれは従来どおりの内容で何も新しいことではありません。
新しいのは 「その際」 以降の文言です。
「買入れ額は上下に変動しうるものとする」
これが新しく加わった日銀ルールです。
上下に変動させる基準は
「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて」
なのですが、そもそもETF買いは資産価格(株価)のプレミアム(価格の上下変動)に影響を与えない・・・・がタテマエだったはず。
今回、日経225連動ETF買入れを減らしてTOPIX連動ETFを増やすことは「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点」からみて極めて適切であると言えそうです。
しかしこの観点ではどうしても 「買入れ額は上に変動しうるものとする」 に結びつかないのです。
なぜなら資産価格のプレミアムへの働きかけを最も適切に行えるのはETF買いを一切やめることだから・・・・・・。
つまり、結びつくのは 「買入れ額は下に変動しうるものとする」 の方向だけなはずです。
ともの的には市場に動揺を与えることなく出口戦略を模索する日銀の苦悩あふれる戦いを感じてしまいました。
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